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【図表で見る】 封鎖される世界 新型ウイルス対策に各地で行動制限 - BBCニュース

新型コロナウイルスの感染が確認された人は4月初めまでに140万人を超えた。その影響は、感染した人にとどまらない。

このパンデミック(世界的大流行)を語るために「前例がない」「異例の」という表現がしきりに使われているが、その使用頻度もまた「前例がない」。グーグル・トレンドによると、これまで2週間の間にかつての記録の3倍は使われている。

世界中の政府が感染拡大を防ごうと、住民の行動を厳しく制限している。各国の新しい対策や指導、要請や助言が、住民や世界にどう影響してきたかを点検する。

世界が閉じていった

各国の感染対策は、実に多岐にわたる

コロンビアでは、国民ID番号の下1桁に基づいて、外出が許可されている。セルビアでは、犬の散歩時間が決められた。ベラルーシでは大統領が医療専門家の助言を無視して、ウオツカを飲みサウナに入れば大丈夫だと推奨している。

一方で、多くの国は一般的な対策として、住民の外出を制限し、お互いが密接しないよう間に一定の距離を保つよう求めている。このいわゆる「社会的距離」戦略は、国の全土で実施されることも、一部の地域のこともある。他方で、複数の国や地域が、必要不可欠なものを除き市民の全ての移動を厳しく制限している。罰則を伴う行動の禁止や制限で、これは多くの場合、「ロックダウン(都市封鎖)」と呼ばれている。

2019年末に中国で最初に新型コロナウイルスが発見された当時は、ロックダウンはかなり極端な措置だと思われた。

しかし、アウトブレイク(感染の大流行)が次々と世界に広がるにつれて、抑え込むのが難しくなった。最大限に厳しい制限措置を選ぶ国が、日に日に増えた。

2020年3月末までに、100を優に超える国々が、全面的あるいは部分的なロックダウンを実施した。それによって、何十億もの人が影響を受けた。

それに加えて多くの国が、一部もしくは全ての市民に対して、行動制限を勧告した。

最近になって最初の感染者が確認された地域では、多くの国がアジアや欧州の先例を参考にしているようだ。

アフリカでも、各国政府は比較的素早く、かつ厳しく対応しているように見える。

中国は感染者と死者がひたすら増え続ける最悪の時期を脱して、感染の発生地となった湖北省武漢の封鎖を4月8日に解除した。しかし、生活は元通りと呼ぶには程遠い。

そして、中国以外の各国が行動制限を解除するには、まだまだ時間がかかる。

空の移動が激減

ウイルス登場から間もなく、一部の国が中国からの渡航を禁止したり、感染リスクの高い地域からの渡航者に入国時の隔離を要請した。

世界保健機関(WHO)が3月11日に「パンデミック」を宣言して以降は、渡航制限の対象はさらに広がった。

米政府は3月15日までに、イギリスを含む欧州全体からの入国を、不可欠なものを除き禁止した。欧州連合(EU)は3月17日に、EU域外からの入域を禁止した。

3月末までに、世界各地の大空港に発着する便数は月初から大きく落ち込み、前年同期に比べるとわずか数割に落ち込んだ。

航空追跡サービス「Flightrader24」によると、民間航空の便数は3月、3割近く大幅に減少した。

各国が次々に入国制限を実施するなか、3月末の時点では前年同期に比べて航空便は63%も激減した。

ロンドンのヒースロー空港は世界で最も混雑する空港のひとつで、年間約8000万人が利用する。しかし、2019年の同時期に比べると1日の利用便数は1000便以上少なかった。

都市の交通量も激減

減ったのは都市から都市への移動だけではない。世界各地で外出自粛の呼びかけ、あるいは外出制限が導入され、他人との密接を避けて感染を防ぐ「社会的距離」戦略が各地で広まるに伴い、都市の中の交通量が激減した。

移動アプリ「シティマッパー」によると、3月31日の時点でマドリード、パリ、ロンドン、ニューヨークでは、このアプリを使った市内の移動が従来の1割にも満たなかった。

3月8日から厳しい移動制限が実施されているイタリア北部のミラノでは、アウトブレイク以前に比べると、シティマッパーを使った市内移動の計画は3%だという。

アプリのデータによると、政府による封鎖や行動制限の実施が始まる数日前から、住民の移動が減っていたことがうかがわれる。

たとえば、ブラジル最大の都市サンパウロでは3月24日に部分的なロックダウンが始まったが、市内移動はすでにその1週間前から急減していた。

罰則などを伴う厳しい行動制限の命令ではなく、社会的距離や自宅待機の要請にとどまる都市でも、住民は移動を減らしているようだ。

スウェーデンのストックホルムでは、政府の対策は厳しい禁止措置ではなくガイドラインにもとづく要請にとどまっている。シティマッパーによると、そのストックホルムでもアプリを使った移動の計画は7割減った。移動には、徒歩や公共交通機関の利用が含まれる。

ストックホルムの公共交通機関会社は3月末に、地下鉄や通勤電車の乗客が半減したと発表した。

シティマッパーがデータを集めるアジアの一部都市でも、厳格なロックダウンを実施していない香港やシンガポールでも市内移動は通常より減っている。

韓国では国内で1万人以上の感染者が確認されているものの、首都ソウルは欧州各国の首都のように機能が止まってはいない。韓国では社会的距離よりも早い段階から徹底した検査と感染経路の追跡を実施している。

車を使った移動でも、同じ傾向が見られる。地図・位置情報サービスTomTomの交通渋滞データによると、政府の正式な命令や要請の前から、世界各地で都市の交通量は減っていた。

東京では4月7日に緊急事態宣言が発出されたものの、外出制限は要請で、罰則を伴うロックダウンではない。公共交通機関の運行も続いている。一方で、学校の一斉休校は3月初めから実施され、観光客も激減している。3月の交通量が諸外国の大都市ほど目立って急減はしていないものの、昨年同時期より減っているのは、そのためかもしれない。

インドネシア・ジャカルタも3月中は正式なロックダウンは実施されていなかったが、交通渋滞はほぼゼロに近づいた。3月中にロックダウンを実施した米ロサンゼルスやニューヨークでも、同じ現象が起きている。

下図の渋滞指標は、渋滞がまったくない時と比べて市内移動がどれだけ長くかかるかを数値化したもの。「50」とは、道路に車両がまったくない空の状態だった場合に比べて、時間が50%長くかかる状態を意味する。道路が空なら車で30分かかる移動が、混雑のせいで45分かかる場合が、これに当たる。線グラフが定期的に下がるのは通常、週末を意味する。

中国では、事態が少しずつ正常に戻りつつあるようだ。北京と上海の交通量は1月25日からの春節を経て、2019年の半分に戻った。

アウトブレイクが最初に始まった武漢では4月8日、2カ月半におよんだロックダウンが解除されたばかりで、3月末までの交通量は昨年に比べてほぼゼロに近い。

環境への影響

各地のシャットダウンで良かったことがわずかでもあるとするなら、世界の一部で公害が減ったかもしれないのが、挙げられる。

大気中の二酸化窒素レベルは風速など様々な要素で大きく変わるし、人工衛星の計測は雲の状態でこれまた大きく左右される。

下の地図で示すように、2019年1月と3月の武漢や北イタリア上空の状態が大きく異なって見えるのは、そうした計測上の要因が影響しているかもしれない。

しかし、武漢と北イタリアでは共に、他の場所よりも厳しいロックダウンが長期間にわたり続いた。そして、2019年の1月、3月と、今年の同時期との差は、かなり顕著なものに見える。

イギリスなど他の地域では、経済活動の縮小が大気汚染物質の排出減少につながったと示すこのような違いは、人工衛星画像からはまだ見られない。ただし、ロンドンをはじめとするイギリスの主要都市で、大気汚染が改善されたというデータも得られている。

私たちの働き方

各国が次々と市民の移動を制限していくなかで、多くの労働者が自宅で仕事を続ける方法を模索している。

これにはビデオ通話やインスタントメッセージなどのツールが、欠かせないものとなっている。

ニューヨーク、パリ、ロンドンとベルリンで、こうしたツールの利用者が送るメッセージの平均回数は、数週間で3割増えた。

この働き方にまだ慣れていない人は世界中で大勢いる。けれども、自宅ではできない仕事の人のためにも、自宅勤務が可能な人はなるべく、慣れるようにした方がいい。住む場所によっては、自宅にいなくてはならない時間はまだまだ続きそうだ。

(英語記事 Coronavirus: A visual guide to the world in lockdown

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April 09, 2020 at 01:05AM
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