安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡り、2018年4月開催の前夜に後援会が東京都内のホテルで開いた夕食会で、参加した有権者に飲食代を提供したとして、全国の弁護士や法学者が21日にも、公選法違反(寄付行為)などの疑いで首相と後援会幹部の計3人の告発状を東京地検特捜部に提出することが分かった。15日、関係者が明らかにした。

宮城県の弁護士有志が1月、桜を見る会問題を追及する会を結成。同様の動きは全国に広がり、告発人は弁護士、法学者ら500人以上となる見込みだ。首相は国会答弁で「(会費は)ホテル側が設定した」と説明、支援者への利益供与を否定している。

告発内容によると、首相と後援会の代表と会計責任者は共謀し<1>飲食代が1人当たり1万1000円はするのに5000円ずつしか徴収せず、差額の6000円程度を提供した(公選法違反)<2>後援会が参加者約800人から得た推計約400万円の収入と、ホテルに宴会代として支出した約400万円を収支報告書に記載せずに山口県選挙管理委員会に提出した(政治資金規正法違反)-としている。

告発に関わる弁護士は取材に対し「ホテルが会計記録を開示すれば、違法状態は明らかになる」と指摘する。

桜を見る会を巡っては首相の地元支援者が多数招かれ「私物化」と批判された。また預託商法で多額の消費者被害を生んだジャパンライフの元会長が首相の推薦枠で招待された疑惑も浮上した。(共同)