クラウドストレージはますます洗練され、柔軟性も向上している。クラウドストレージを考える最初のきっかけは、その柔軟性とコスト効率にある。それを実現するため、大半のクラウドサービスはオブジェクトストレージを軸にしている。その最たる例がAmazon Web Services(AWS)の「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)だ。
AWSがAmazon S3で「バケット」という用語を使っていることが、オブジェクトストレージの仕組みを暗に示している。ユーザーがAmazon S3にデータを投げ込むだけで、AWSのオブジェクト技術がそれ以降の作業を受け持つ。
だが、オブジェクトストレージ(少なくともオブジェクトストレージだけ)では、企業のデータストレージニーズを全て満たすことはできない。そのためクラウドサービス大手の「AWS」「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」は、豊富なストレージオプションを取りそろえている。
そのオプションには、主要なストレージアーキテクチャ(ファイル、ブロック、オブジェクト)の他、アーカイブやバックアップといったサービスなどもある。
3大アーキテクチャには、ストレージサービスを微調整することによって顧客に柔軟性をもたらし、ローカルストレージに代わる手段を提供する狙いがある。
Googleの「Persistent Disk」などのブロックストレージは、仮想マシン(VM)ストレージにデータセンターに代わる手段を提供する。AWSの「Amazon Elastic File System」(EFS)は、クラウドとオンプレミスの組み合わせを可能にするNFSベースのシステムだ。AzureもSMB(Server Message Block)を通じてクラウドベースのファイル共有を提供する。
AWS、Microsoft、Googleのプロバイダー3社は、ファイル、ブロック、オブジェクトにそれぞれ独自のアレンジを施している。そのメリットは、アプリケーションサポート、パフォーマンスと価格のさまざまなオプション、必要に応じてスケールアップ/スケールダウンする機能などがある。
CIO(最高情報責任者)は、潜在的なコストを比較する必要がある。クラウドストレージが常に安価になるとは限らない。特にパフォーマンスを基準にすると高額になる可能性がある。データをクラウドに移動するとパフォーマンスが低下する恐れがある他、これらプロバイダー3社間では(まだ)データをシームレスに移動できないという事実もある。
クラウドとローカルストレージを比較する場合、プラットフォームを選択するだけでなくデータ管理に必要な方法も影響する。
CIOが検討する中では、まずはAzureが優位に立つかもしれない。AzureはWindowsをサポートすることが広く知られているためだ。しかもこのファイルベースのストレージは
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