1993年、第4戦ヨーロッパGP。イギリスのドニントンパークで行われました。
ウイリアムズの圧倒的なスピードは前年から維持したまま、エースのアラン・プロスト選手が4度目のチャンピオン獲得。
しかしこのドニントンパークのようなウエット路面となると、アイルトン・セナ選手の大活躍が見られたのです!
マシンの優劣が大きくものを言うモータースポーツで、ドライバーの腕で勝利を手にする場面に出会えるとワクワクが止まりません!
セナ選手は予選4番手からのスタート。予選タイムはポールポジションのプロスト選手から、なんと1.649秒差。
大差です。
普通にドライのレースになれば、誰もウイリアムズにはついていくこともできません。
ウエットでスタートしたオープニングラップで、セナ選手はトップに立ちます!
途中路面は乾き始めたもののまたウエットになるという、典型的なブリティッシュウエザー。
性能が劣るマシンで、ごぼう抜きというF1史上でも稀に見る名レースとなりました!
寒くて、表彰式の頃は真っ暗でした。
セナ選手は2位のデーモン・ヒル選手に1分23秒の大差をつけて優勝。
プロスト選手は3位、なんと1周遅れてのゴール。
個人的には痛快極まるレースでした。
非力ではあったけれど、結果的にいいレースを戦ったマシンです。
セナ選手は、ウイリアムズに移籍することを前提に1993年を戦い続けました。
結果的には5回優勝してランキング2位を獲得しています。
プロスト選手は7勝を挙げてチャンピオン獲得し、引退。
前年のマンセル選手もチャンピオンを獲得してインディーに転向。
そして、マイケル・シューマッハ選手がメキメキと注目を集め始めます。
表彰台2回だけという成績。
V12で存在感は抜群でしたが、速さはなかった。
ベネトンチーム、リカルド・パトレーゼ選手。
250GPのお祝いのパーティーです。左はチェザリス選手、右のポロシャツはマルティニ選手。イタリア選手つながりですね。
パトレーゼ選手も、この年で引退しました。
日本グランプリのドライバーズミーティング。
なぜこの写真を撮ったのか、記憶にありません。
今では、カメラマンがこの部屋に入ることはできませんし、僕もこれ以降にドライバーズミーティングの写真を撮った記憶がありません。
壇上の一番手前は、FIA会長のマックス・モズレーさん。
選手も皆若いです…当たり前ですけど。
次回も1993年が続きます。
〈文&写真=熱田 護〉
熱田 護 Mamoru Atsuta
●F1とともに世界を転戦するフォトグラファー。そのファインダーは極限の世界で巻き起こるドラマを捉え続ける。本誌driverでも「F1 FOCUS」を連載。写真集「500GP」も発売中
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July 13, 2020 at 06:21PM
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F1史上、稀に見る名レース!ウエットでごぼう抜きを見せたセナ…1993年の記憶【連載第10回:熱田護のF1勝手に片思い】 - driver@web
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