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地価の変動から見る家計資産 - 日本経済新聞

総理大臣就任会見に臨んだ菅首相は、2019年に27年ぶりに地方の地価が上昇したことが何よりもうれしいと述べた。ただ先月29日に発表された20年の基準地価の全国平均(7月1日時点)は、商業地が5年ぶりに下落し、住宅地は下げ幅が広がった。国民経済計算によると日本全体の土地の時価総額は13年末を底に増え続けていたが、それが一服したのかもしれない。

1990年代の初頭まで地価は無条件に右肩上がりを続けた。だが、ここ25年は景気次第で変動する普通の物価になった。正しく言えば地価は資産価格だから、土地の賃料を収益還元モデルで割り引く際の、無リスク金利に上乗せする「リスクプレミアム」が正常化したということだ。

80年代に生じた資産バブルが崩壊したことで、人々の土地に対する考え方は構造的に変わった。人口が減っても、地価の下落が避けられないとは考えられない。土地をどれだけうまく使えるかで今後の地価は決まる。

家計については80年代まで資産ポートフォリオの中で持ち家などの不動産の割合を高くすることが合理的だったが、そうではなくなった。90年末に家計資産の半分以上は土地だったが、今は4分の1程度だ。収益率はその土地を使って上がる利益次第で、かつてほど値上がり益が期待できなくなれば、家計の資産形成は金融資産が中心になる。

また住宅地価格と株価の関係を見ると、90年代初頭まで日本ではそれぞれの変化率の間に正の相関があったが、近年はその程度が大きく下がっている。家計による株式の保有割合が高い米国ではそのような相関が以前からない。日本の家計は土地を持たなくなった分、リターンの低い預貯金を増やしただけで、長寿社会に対応できない。家計の資産形成における株式の重要性は格段に高まっている。

(大和総研 執行役員 鈴木準)

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October 06, 2020 at 07:30PM
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