● アイスの賞味期限表示 に波紋が広がる理由
「アイスクリームには賞味期限がない」
2000年代に『トリビアの泉』(フジテレビ系)というバラエティ番組で放送され、「73へえ」を獲得したトリビアです。若い世代の読者にとっては、「73へえ」といってもどれほど凄いかわからないかもしれませんが、当時の視聴者にとっては目から鱗の知識でした。
賞味期限とは、食品をおいしく食べられる目安として表記された日付のことで、マイナス温度では細菌の繁殖能力は皆無に等しく、品質劣化がほとんどないということでした。よって、アイスクリーム類は味に変化はなくおいしく食べられることから、販売においてはどのメーカーも賞味期限は表示していないということでした。
これは厳密にいうと、厚生労働省が定める食品衛生法第7条6項において「アイスクリーム類にあっては期限及びその保存方法を省略することができる」とされているのが根拠となっており、つまり各社とも賞味期限を省略しているという状態です。
さて、アイスクリーム大手の一角である明治が、今年6月から市販アイスクリームの一部に賞味期限の表示を始め、2021年4月をめどに全製品に表示することを決めました。賞味期限は、商品ごとに製造から最長で24カ月(2年)となるそうです。実は、このニュースが業界をざわつかせています。
明治によれば近年、消費者の食の安心への意識が高まっている中で、「アイスはいつまで食べられるのか」といった問い合わせが年々増加していることが、賞味期限の表示に踏み切った理由だといいます。
海外では、アイスクリームの賞味期限を2年間とする国が多くみられ、国内でもアイスクリームを自社で製造・販売しているシャトレーゼのように、賞味期限を設定している会社はあります。
それを考えると、一見この決定は消費者重視の立場からのものに思えますが、それに対して異論が噴出しているのは、なぜでしょうか。
安全性の立場からの明治の決定に異論が出る一番の理由は、大企業が今対応を強く求められているSDGs(Sustainable Development Goals/国連の持続可能な開発目標)の中の強い関心テーマである、食品ロス削減に逆行する恐れがあるからです。
● 日本独自の「3分の1ルール」 食品ロス解消に逆行する可能性
そもそも日本は、食品ロスが多い国だといわれています。アメリカなどと比べて消費者の潔癖性が強く、たとえばパッケージの一部がへこんだだけでその商品が買われないことも普通にあります。その結果、「ワケあり品」として安くしないと売れないというような日本特有の流通環境があります。
そうした中で、日本独自の「3分の1ルール」という業界自主ルールが生まれました。メーカーや卸は、製造されてから賞味期限までの期間の3分の1が過ぎるまでに、商品を小売店に納品しなければいけない。そして小売店は、賞味期限までの期間が残り3分の1を切ったら、棚から商品を撤去し消費者に販売してはいけない。このようにして、メーカーと流通による自主廃棄を促すルールです。
これまでなかった賞味期限が設定されれば、明治のアイスクリームに関しては流通がそれまでやらなくてよかった廃棄の判断をしなければいけなくなる。そうなれば当然、廃棄ロスが発生する。それが時代に逆行するのではないか、という疑問です。
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