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羽生・大谷、「みうみま」…世代で見るオリンピック内定・注目選手 - 読売新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大で2度目の開幕1年前を迎えた2020年東京オリンピック。新規感染者数の増加に伴い、政府は8月1日に予定していたイベントの人数制限の撤廃を延期しましたし、また代表選考が本格化するのも秋以降の見込みと、コロナ禍の特殊な状況が続きます。最大で約600人が見込まれている日本代表選手のうち、内定しているのは6月に12選手が発表された自転車競技などを含め約110人といったところです。それでも33競技339種目が行われる一大イベントらしく、現状でも17~45歳と幅広い年齢構成になっているのが目を引きます。そこで、内定選手および注目選手をスポーツの代表的な世代(学年)で見てみました。(読売新聞オンライン 斎藤明徳)

 (※表1~表4は東京大会を目指す選手らを各世代別にピックアップしたもの。10~40歳代の区分は来年7月23日の開幕時の年齢。黄色は代表に内定した選手)

 まずは1994年生まれのアスリートから。フィギュアスケート男子で冬季オリンピック2連覇を達成した羽生結弦選手や、右肘手術からの投手復帰で「二刀流」での活躍に期待も高まる米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手がこの世代です。大谷選手は日本ハム時代、羽生選手と同席したイベントで自らの世代を「羽生世代」と称したことがあります。

 華を感じさせる2人ですが、94年組は2016年リオデジャネイロ大会で金メダリスト4人を輩出するなど、夏季オリンピックでも既に実績があります。

 その4人のうち、柔道男子90キロ級のベイカー茉秋選手は今回落選し、一時休養していた競泳の萩野公介選手も復活を目指す立場ですが、レスリング女子の川井梨紗子選手と土性沙羅選手は激しい代表争いの末に、57キロ級と68キロ級でそれぞれ内定を勝ち取りました。

 バドミントン男子シングルスの桃田賢斗選手、リオ大会銅メダリストの競泳の瀬戸大也選手はそれぞれ昨年の世界選手権で優勝しており、金メダルをうかがいます。

 男子マラソンで内定している大迫傑選手のように来年の開幕時には30歳を迎える選手もいる1991年組。ここでは男子ゴルフの石川遼、松山英樹の「29歳」コンビで紹介します。6月にはサイン入りグッズの売り上げ寄付など感染対策のための支援プロジェクトを連名で発表して注目されました。

 石川選手は15歳で国内ツアーの史上最年少優勝を果たすなど早くから脚光を浴び、早生まれで91年組に入る松山選手も2017年の全米オープン選手権2位を筆頭にメジャー大会の経験が豊富です。

 ゴルフが112年ぶりに正式競技として復活したリオ大会は「ジカ熱」などを理由に辞退した松山選手ですが、今回も世界ランキングは日本人最上位で代表有力選手です。石川選手も同ランキングで日本勢3番手につけており、出場への意欲を見せています。91年組では、早生まれでこの世代に入る柔道男子73キロ級の大野将平選手が2大会連続の金メダルを狙います。

 2000年生まれは、卓球女子のライバル争いが印象的です。その中心は、ダブルスを組んで10代前半で国際大会に優勝するなど、「みうみま」の愛称でも知られた平野美宇、伊藤美誠の両選手でしょう。伊藤選手は15歳でリオ大会女子団体の銅メダリストになり、20歳で迎える東京大会ではエースの活躍が期待されます。平野選手も東京大会の代表に団体戦要員として食い込みました。

 伊藤選手とのダブルスでも知られる同世代の早田ひな選手は落選しましたが、直後に行われた今年1月の全日本選手権女子シングルスで内定組の伊藤選手、石川佳純選手を次々破り初優勝する意地を見せました。

 この世代には、内定維持が決まった柔道代表13人中、最年少の阿部詩、素根輝の両選手もいます。世界選手権で、阿部選手は18、19年と女子52キロ級を連覇、素根選手も昨年の同78キロ超級で初優勝を飾っており、期待が高まります。

 なお、この世代の顔でもあった競泳の池江璃花子選手は白血病を患ったことで次回24年パリ大会出場を目指します。

 東京大会を10代で迎える内定選手は現状3人。アーティスティックスイミングの京極おきな選手(2001年生まれ)、自転車競技の新種目、BMXフリースタイル・パークの中村輪夢選手(早生まれで01年組)、そして内定選手では現状最年少ながら卓球男子を引っ張る張本智和選手(03年生まれ)です。

 ちなみに、17歳11か月で将棋の棋聖戦を制しタイトル獲得の最年少記録を更新した藤井聡太棋聖は2002年生まれ。同世代には18年ユース五輪の体操男子で金メダル5個を獲得した北園丈琉選手らがいます。また、代表入りすれば中学3年での出場となる飛び込みの玉井陸斗選手やスケートボードの岡本碧優選手(ともに06年生まれ)といった新星もいます。彼らがどこまで成長するかも楽しみの一つです。

 前回のリオ大会で、日本は41個のメダルを獲得していますが、30歳以上のメダリストも4人いました。レスリングの伊調馨選手、吉田沙保里さん、重量挙げの三宅宏実選手、リレーメンバーだった競泳の松田丈志さんで、最年長は吉田さんの33歳でした。

 東京大会を30代で迎える世代のうち、若い力の台頭で大きなインパクトを与えたのが1984年生まれでしょう。女子バレーボールの栗原恵さん、大山加奈さん(ともに引退)は20歳で2004年アテネ大会にそろって出場するなど、「メグ、カナ」の愛称で親しまれました。

 同じバレー界でこの世代から東京を狙うのが荒木絵里香選手です。アテネ大会には出場できませんでしたが、続く北京大会から3大会連続で出場しています。アーチェリーの古川高晴選手もこの世代で、今年3月の代表2次選考会をトップで通過(最終選考会は延期)し、健在ぶりを見せています。12年ロンドン大会で荒木選手は主将として銅メダル獲得に貢献、古川選手は男子個人で銀メダルに輝いています。一方、1984年組きっての実力者で、5大会連続金メダルを狙っていた前述の伊調選手は落選。やはり30代は世代交代の激しい波にもさらされています。

 88年生まれは野球界からです。ヤンキースの田中将大投手や、日本代表「侍ジャパン」の一員として昨年の国際大会「プレミア12」に出場した巨人の坂本勇人内野手らがおり、夏の甲子園で田中投手と投げ合った斎藤佑樹投手(現日本ハム)の活躍から、かつては「ハンカチ世代」とも称されました。

 オリンピックでの実績で圧倒的なのは、早生まれでこの世代に入る体操の内村航平選手でしょう。北京大会から個人総合で銀・金・金と獲得、団体総合では銀・銀・金に貢献しており、ロンドン大会の種目別ゆかの銀も含めれば計7個のメダルを獲得しています。

 30代に突入した昨年は肩の不調に苦しんで世界選手権メンバーから落選し、種目別鉄棒に絞って代表入りを目指すことが今年6月に一斉に報道されました。団体総合と個人総合を断念することになりますが、東京大会出場に向け「一番可能性が高いと感じたのでこの決断に至りました」(6月27日付読売新聞朝刊より)という言葉からは並々ならぬ決意が感じられます。

 80年代のトリを飾るのは80年生まれの「松坂世代」。語源となった西武の松坂大輔投手は今月、頸椎(けいつい)の内視鏡手術を受けたことでシーズン終盤での復帰を目指すことになりましたが、早生まれでこの世代に入るソフトバンクの和田毅投手が先発でベテランの存在感を見せています。

 東京大会内定者はこの世代から現状3人で、大会をいずれも40歳で迎えます。

 飛び込みの寺内健選手は実に6度目の出場となります。初出場は、誕生日前でまだ15歳だった96年のアトランタ大会。横浜高校時代の松坂投手が甲子園で春夏連覇の快挙を達成する2年前に、既に脚光を浴びていました。

 セーリングでは女子RSX級の須長由季選手と女子470級の吉田愛選手がいます。吉田選手は、3大会連続出場となった前回リオ大会で吉岡美帆選手(1990年生まれ)と組んで5位に入賞、同じペアで世界選手権も2018年に金メダル、昨年は銀メダルを獲得する充実ぶりです。

 ちなみに内定最年長はクレー射撃の石原奈央子選手で、1974年生まれ。巨人やヤンキースなどで活躍した松井秀喜さん、ロッテの井口資仁監督らと同世代です。

 日本のオリンピック最年長金メダリストは、84年ロサンゼルス大会の射撃男子ラピッドファイアピストルを制した蒲池猛夫さん(2014年死去)で48歳でした。また、2004年のアテネ大会ではアーチェリーの山本博選手が41歳で男子個人の銀メダルに輝き「中年の星」と話題になったほか、冬季オリンピックではスキージャンプの葛西紀明選手が41歳で銀メダル(14年ソチ大会男子個人ラージヒル)を獲得した例があります。

 東京大会では令和版「中年の星」の誕生にも期待したいところです。

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July 25, 2020 at 01:28AM
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