9日午前9時から、安倍晋三首相らが出席して参院予算委員会の集中審議が開かれました。新型コロナウイルスの感染拡大で、首相が要請した小中高校などの休校や、中国・韓国からの入国制限などをめぐり、首相はどう説明するのか。タイムラインで速報し、記者が解説します。
拡大する参院予算委で、立憲民主党の蓮舫氏(右側手前から2人目)の質問に答弁する安倍晋三首相=2020年3月9日午前10時34分、岩下毅撮影
寸評=三輪さち子記者
新型コロナで大変な時期に…答弁も質問も棒読み、緊張感欠く
今日の参院予算委員会では、安倍晋三首相らの「棒読み」答弁が目立ちます。新型コロナウイルスの感染症対策をめぐり、丁々発止の議論が続いた先週の予算委員会と比較すると、やや緊張感に欠けた雰囲気です。なぜでしょうか。
国民民主党の伊藤孝恵氏が、全国一斉の小中高校などへの臨時休校要請に向けた政府内の議論の議事録を、国会に提出するよう要望しました。このとき首相は紙に目を落とし、一息つくと、「歴史的緊急事態の早期指定について……」と読み上げました。その内容は、午前中に立憲民主党の蓮舫氏が質問した際の答弁と丸写し。質問に対して、かみ合わない内容でした。
首相だけではありません。森雅子法相は、東京高検検事長の定年延長問題について問われた際、「東日本大震災の時、福島県いわき市では、検察官が逃げ出し……」と説明をはじめました。見かねた金子原二郎・参院予算委員長が「答弁は的確、適切に」と注意しました。
今日の質疑は、先週までの参院予算委と時間配分の決め方が違います。今日は答弁する時間もカウントされるので、答弁の時間が長くなるほど、1人の議員が質問する時間は減ります。こうした方式のせいか、今日はいつもより「棒読み答弁」が目立っています。議員の質問時間を「消費」しようとする姿勢とも言え、緊張感に欠けているように映るのです。
拡大する参院予算委で、自民党の武見敬三氏の北朝鮮による弾道ミサイル発射に関する質問に答弁する安倍晋三首相=2020年3月9日午前9時3分、岩下毅撮影
16:40
首相「世界各地でやっている」 入国制限の科学的根拠問われ
新型コロナウイルス感染症の水際対策のため、安倍晋三首相が打ち出した中国と韓国からの入国制限強化。参院予算委員会で「科学的根拠」を問われた首相は、中韓で感染者数が増加している状況を説明するにとどめた。共産党の田村智子氏は首相答弁に反発し、政府・与党が早期成立を目指す新型コロナ対策の特別措置法改正案に反対する方針を表明した。
田村氏は「突然の中国、韓国からの入国制限という措置をとった科学的根拠は何か」と質問。これに対し、首相は「感染が拡大する地域の方々の入国を制限することが世界各地で(対応として)とられている。中国の感染者が累積で相当の数になり、韓国では感染者数が急速に伸びつつあることに鑑み、判断した」と答弁した。
田村氏が「専門家会議の議論はないままだった。何のために専門家会議を設置したのか」と質問を重ねても、首相は短く「厚労大臣の下に専門家の知見を伺うために設けた」と答えるのみ。あまりに素っ気ない対応に委員会室から笑いが漏れた。
これに田村氏は猛反発。4日の党首会談で共産の志位和夫委員長が首相に「専門家の知見の尊重」を要請した経緯を紹介した上で、「ところが、その直後にまた専門家会議をなおざりにした」と強調。「こういう総理の下で、国民の権利の制限に道を開くような特措法(改正)はあり得ない。法案は提出を取りやめるよう強く求めたい」と訴えた。
16:00
「今は瀬戸際なのか」 質問に首相は直接答えず
新型コロナウイルスの感染拡大を防げるか否かをめぐり、今は「瀬戸際」なのか――。安倍晋三首相は現状認識を率直に問われたが、「重要な時期を迎えている」と述べるにとどめ、踏み込んだ分析は避けた形だ。
日本維新の会の柴田巧氏が「総理は今なお『瀬戸際にある』というご認識なのか」と問うた。政府の専門家会議が2月24日に「これから1、2週間が瀬戸際」との見解を示してから、2週間が経っているためだ。
これに対し、首相は有識者会議の見解に触れつつ、「急速に感染者が増えて急カーブを描くのか、あるいは小さな山に抑え、小さな山ができるのも先送りすること(ができるのか)。(山を抑え、先送りすること)それによって、準備しながら医療提供態勢の中で十分な対応ができる」などと語った。
拡大する参院予算委で、日本維新の会の柴田巧氏の質問に答弁する安倍晋三首相=2020年3月9日午後4時4分、岩下毅撮影
15:50
事前承認、自民・森山氏は「付帯決議で」
自民党の森山裕国会対策委員長は、新型コロナウイルス対策での緊急事態宣言を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案をめぐり、立憲民主党や国民民主党が要求する「国会の事前承認」について、「付帯決議の中で、与野党協議がととのえば、盛り込めばいい」と述べた。法案に加えることには否定的な考えを示したものだ。付帯決議には、法的拘束力がない。
公明党、日本維新の会の国対委員長と国会内で会談後、記者団に語った。
15:40
国民・玉木氏、緊急対応策は「小さすぎ、遅すぎ」
新型コロナウイルス感染症対策として政府が10日にまとめる第2弾の緊急対応策の概要について、国民民主党の泉健太政調会長が自民党の木原誠二政調副会長から説明を受けた。
泉氏から報告を受けた国民の玉木雄一郎代表は記者団に「小さすぎて遅すぎる。新しいメニューが全くない。多くの国民が感じている不安や心配にこたえるものに、まったくなっていない」と批判した。
安倍晋三首相は第2弾の緊急対応策について、①感染拡大防止策と医療提供態勢の整備②学校の臨時休業に伴って生じる課題への対応③事業活動の縮小や雇用への対応④事態の変化に即応した緊急措置、を柱とすることを表明している。
15:30
緊急事態宣言、首相「そういう事態ではない」
安倍晋三首相は、新型コロナウイルス感染症に対応するための特別措置法改正案に盛り込まれる「緊急事態」の宣言について、「そういう事態ではない」と答弁した。改正案は13日にも成立する見通しだが、現時点では緊急事態を宣言する状態ではないとの認識を示した形だ。
首相は「危機管理の観点から、国内の患者数の急速な拡大といった事態に備え、緊急事態宣言の発出等を可能とする法案の提出を予定している」と説明する一方、「最悪の事態にあらかじめ備えておく必要があるということだ」と強調した。
公明党の秋野公造氏への答弁。政府・与党は、現行の新型インフルエンザ等対策特措法を改正し、対象に新型コロナを加える方針。法改正後、首相が緊急事態を宣言すれば、知事の権限で外出の自粛を求めたり、催しなどの開催制限、学校や福祉施設の使用制限を要請・指示したりできるようになる。
拡大する参院予算委で、公明党の秋野公造氏の質問に答弁する安倍晋三首相=2020年3月9日午後3時23分、岩下毅撮影
15:20
立憲・福山氏「法律だけでなく現場にも目を」
予算委員会とは別に、立憲民主党の福山哲郎幹事長は国会内で記者団に、新型コロナウイルスの国内の感染状況について、「(改正案が提出される予定の)特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)の緊急事態宣言の方ばかりに注目がいっているかもしれないが、もう足元で感染が広がっている」と語った。
福山氏は「現場の大きな問題がある。検査態勢が整っていないことのひずみが具体的に出てきている」などと指摘。特措法改正案は10日に国会提出され、13日にも成立する見通しだが、「法律の議論は大事だが、現場の議論にもっと目を向けてほしい」と強調した。
14:30
黒田・日銀総裁「市場、神経質な動き続いている」
日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁が参院予算委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う株式・為替市場の動きについて答弁した。「世界的に株価は大幅に下落、長期金利も低下、為替市場では円高が進むという不安定な動きが続いている」との認識を示し、「日銀としても適切にちゅうちょなく対応していく」と述べた。
黒田総裁は2日、新型コロナ感染拡大を受け、「潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」との緊急談話を発表。その談話の狙いと効果について、国民民主党の木戸口英司氏が質問した。
黒田総裁は「(談話を発表後)金融市場への資金供給を増額し、ETF(上場投資信託)買い入れを通常1回700億円から1千億円に増額して実施するなど対応に努めている」と強調。一方で「まだ市場では神経質な動きが続いている」と述べ、「日銀としても引き続き方針に沿って、適切にちゅうちょなく対応していきたい」と話した。
拡大する参院予算委で、国民民主党の木戸口英司氏の質問に答弁する黒田東彦日銀総裁=2020年3月9日午後2時31分、岩下毅撮影
13:50
公式ツイッターの反論問題、首相は指示否定
「そもそも私はほとんどテレビを見ている時間はございませんから」
新型コロナウイルス感染症に対応する特別措置法改正をめぐり、内閣官房の公式ツイッターがテレビ朝日の番組への反論を投稿した問題。安倍晋三首相は参院予算委員会で、国民民主党の伊藤孝恵氏から「官邸の指示ではないということか」と問われ、こう答えた。
番組は「羽鳥慎一モーニングショー」。特措法改正をめぐり「総理主導で進んでいるとアピールしたい」などとする出演者のコメントを紹介したのに対し、内閣官房国際感染症対策調整室の公式ツイッターが「法律改正をする理由はそうではありません。あらゆる事態に備えて打てる手は全て打つという考えで法律改正をしようとしています」と否定していた。
伊藤氏は質問で、内閣官房のツイートに加えて「厚生労働省のツイッターは特定の番組を名指しして不正確な反論をした」とも指摘。「官庁のアカウントでも誤情報が発信されるんだとしたら、国民は一体何を信じればいいんでしょうか」と批判した。
こうした指摘に対し、首相は「(報道機関に)事実関係を間違って伝えられることによって、不安を呼び起こすこともありうる。政府はしっかりと正しい情報を発信していくのは当然の役割ではないか」と強調。伊藤氏から「官邸の指示ではなく、各省庁が自主的にやっているということか」と繰り返し問われ、首相は「(内閣)広報室と各省庁で行っていると認識している」などと答弁した。
首相は答弁の中で、自身はテレビを見る時間がほとんどないとも説明。「(菅義偉)官房長官もそうなんだろうと思う」として、官邸首脳としてツイートを指示していないとの立場を示した。
13:40
「うちに子2人、身一つではない」急な休校を批判
「うちには、5歳と6歳の子どもがいる。土曜日が(安倍晋三首相の)会見で、月曜日から学校に行かないことになった。(首相の突然の休校要請からは)営業日が中1日しかない」
「首相にはささいなことかもしれないが、私たちは身一つではない。1人で留守番できない子どもを、一分の隙もなくどこかで預かってもらわないといけない」
小さな子どもの母親でもある国民民主党の伊藤孝恵氏は、安倍晋三首相が要請した全国一斉の小中高校などの臨時休校について、そう訴えた。2月27日の首相要請後、28日の「営業日」と29日の首相会見を経て、3月2日の月曜から休校に入ったことを改めて指摘。首相の対応を批判した。
伊藤氏は休校要請がいつまで続くのかただしたが、加藤勝信厚生労働相は「2月26日に大規模イベントの自粛要請、27日に臨時休校の要請をした。(要請の)効果が出るまで2週間かかり、さらに1週間で分析する」などの説明にとどめた。
拡大する参院予算委で質問する国民民主党の伊藤孝恵氏=2020年3月9日午後1時37分、岩下毅撮影
13:30
自民・二階氏がダメ出し 「一言一句同じ会議、無責任」
北朝鮮が日本海に向けて複数発の弾道ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体を発射したことを受け、自民党は対策本部役員会を開いた。本部長の二階俊博幹事長は冒頭、「一言一句変わりないような会議」と苦言を呈した。
役員会が開かれるのは、2日の弾道ミサイル発射以来で、2週連続。二階氏は「撃たれる度に同じような会議して。みんなで読み上げて終わりっていう、こんな無責任なことないじゃないですか」とダメ出し。ミサイル発射の度に防衛省や外務省の幹部も交えて開催される役員会は二階氏の「肝いり」で、その「マンネリ化」を指摘した形だ。
二階氏は「政府も無責任だが、我々が抗議のコメントを発表するだけではどうしようもない」として、「どうすればいいか、みなで研究しよう」と呼びかけた。
13:10
歴史的緊急事態の担当は北村氏 野党「機能してない?」
「公文書管理担当大臣、機能していないということではないですよね?」
立憲民主党の吉川沙織氏が参院予算委員会で、公文書管理担当の北村誠吾・地方創生相を痛烈に皮肉った。新型コロナウイルスの感染症対応をめぐる政府の行政文書の管理について、安倍晋三首相が午前の委員会で「歴史的緊急事態」に指定する方針を表明したことを受けた質問だ。
政府の行政文書の管理に関するガイドラインでは、公文書管理を担当する大臣が閣議などの場で了解を得て指定することになっている。ただ、担当相ではなく首相自らが午前に「歴史緊急事態とすることとしたい」と表明したため、吉川氏は「行政文書の管理に関するガイドラインと異なる」と指摘した。
首相は「もちろんそういうこと…
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March 09, 2020 at 01:07AM
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【速報中】首相「そもそも私にテレビを見る時間はない」 - 朝日新聞
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